ビジュアル再現 村上城 ~3DCGでよみがえる村上城~ ロゴ
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商工会議所で講演してきた

にわかに盛り上がる村上城のVR化!?

こないだ、村上商工会議所からお声がけをいただき「村上城のCG・VRと観光活用について」と題した講演をしてきました。参加者は同商工会議所・諸業部会の皆さんと、市役所の関係部門、村上城跡保存育英会、観光協会etc.から計20名弱。一介の個人サイト制作者にはヘビーなテーマのような気もしますが(汗)、城の再現CGやVRの観光活用にどんな可能性や課題がありそうか、当サイトの運用実績をもとにお話ししてきました。当日資料を「ダウンロード」コーナーに置いておきますので、おヒマな方はご覧ください。

で、この講演の準備をする過程で把握したのですが、実は今、村上市では少なくとも3つのセクターが、村上城に関連したCGやVRの制作を考えているようです。一つ目は、今回の講演を主催した商工会議所。城下に残る門跡や桝形跡の観光活用が主な狙いで、立て看板や説明版とリンクしたコンテンツの開発etc.が視野にあるとのこと。2つ目が市役所の都市計画課。こちらは「歴史的風致維持向上計画」の一環として、城下各所の門跡をVR化する事業を進めています。3つ目が、同じく市役所の生涯学習課。現在策定中の「史跡村上城跡保存活用計画」の中で、VR活用を検討中だそうです。

奇しくも今回の講演では当事者がほぼ揃う形となったので、地元関係者の「キックオフ」みたいな場には、一応なったんではないかと思います。ともあれ、3者別々の仕様のCGやVRが乱立するのはあんまり宜しくないので、今後、何らかのヨコ調整が行われることを期待したいと思います。

「復元CG」/「絵図の立体化」

さて、市役所や商工会議所といったオフィシャルな団体がCGやVR制作を行う場合、復元精度をどう考えるのかが焦点となります。周知のように、村上城の建築物に関する資料は非常に限られており、いわゆる「学術的な復元」は難しいのが現状です。当サイトのような個人コンテンツであれば、「私案」で済むかもしれませんが、責任ある団体ではなかなかそうは行きません。一定の根拠をもとに「イメージ図」として提示するにせよ、きちんと監修者をつける/文化庁のVRガイドラインに準拠する/制作根拠をわかりやすく明示するなど、丁寧な対応が求められるでしょう。個人的には現在の学問水準でどこまで「復元」に近づことが可能なのか? この路線でのVR作成に期待したいところではあります。

一方、観光向けコンテンツとして振り切るならば、「復元CG」ではなく、絵画資料等を参考にエンタメ系(?)VRを制作する…という手も考えられます。要は「ブラタモリ」なんかに時々出てくる「立体絵図」っぽいアレですね。右図は試しに「村上城城門絵図」をテクスチャ化し、そのまま3Dモデルに貼りこんでみたものです。元が絵図ゆえ、建築的におかしなところもありますが、案外破綻することなく「大手門立体絵図(?)」みたいなパノラマVRを作ることができましたw こういった表現であれば「復元CG」と誤解されることなく、VRの特性を生かした視聴体験を提供できるのではないでしょうかね??

実は、上記の発想は都市計画課の事業計画からヒントを得たものです。都市計画課では資料が不足する以上「復元CG」の制作は不可能と判断→「村上城城門絵図」をそのまま立体化する…という方針だと伺いました。試作段階のものが村上市のウェブサイトで公開されていますが(右図)、本番公開時までにどのようなチューニングが成されるのか、要注目です。

野良コンテンツ(?)として村上城のCGを作り出してから早10数年。ついに村上城のVR化が公的セクターでの関心事となりました。各種団体間の役割調整や「再現」コンセプトの統一はあるのか否か? 今後の動きがわかり次第、追ってレポートしたいと思います。…そういや、オフィシャルコンテンツがそろった時に、ウチのサイトはどいういうポジションを取ればよいのであらうか。それはそれで考えないといかんな(汗

(初稿:2019.08.31)