ビジュアル再現 村上城 ~3DCGでよみがえる村上城~ ロゴ
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VR対応! 村上城「comony」版

村上城「comony」移植版

VR空間共有プラットフォーム「comony」に移植!

仮想空間内に再現した村上城内をウロウロする装置として、当サイトでは2018年に「村上城EXPLORER」を制作、同年夏から配布しています。忍者キャラクターを操作して城内各所をウロウロできる(=ただそんだけ)…というクソゲーめいたプログラムではありますが(汗)、失われた村上城の建築群をイメージしやすくする上で、一定の効果があったのではないかと思っています。

で、そんな同プログラムに、ひょんなことからVRベンチャーのLASTMILE WORKSさんが興味を持ってくださり、ぬぁんとこの度、同社が運営するVR空間共有プラットフォーム「comony」上にデータ移植用のスペースをいただけました! このプラットフォーム、VRヘッドセットに対応するのみならず、通常のPCから利用するにも便利な機能がてんこ盛り。おかげで、配布版のほうでは諦めていた機能をたくさん装備することができました♪ やったー。これでようやく、そこそこマトモなVR対応ができたぞ!

「comony」移植版の機能

…というわけで「comony」版「ビジュアル再現村上城」は、以下のような点で配布版よりもパワーアップしています。

1)VRヘッドセット対応&視点の切り替えモード
VRヘッドセットに対応したほか、「一人称視点/三人称視点/ドローモード/見下ろし視点」の視点切り替えが可能になりました。臨場感を味わいたいときには「一人称モード」→建築物の様子を俯瞰的に確認したいときには「ドローンモード」…といった具合に、シーンに応じた切り替えができるわけですね。特に個人的におススメなのがドローンモード。リアルな城歩きでは難しいバーチャル空間ならではの視聴体験が得られますので、ぜひ試してみてください。

2)天守に入れるようになった!
配布版では外から眺めることしかできなかった天守の内部データを作成、入れるようにしておきました! 例によって建築的な正確さについてはかなりアヤシイわけですが、平和な寛文年間に建てられた天守の内部がどんな感じだったか、おおざっぱに把握できる程度の視聴体験はできるハズです。

3)Mac対応
配布版はWindows環境にしか対応していませんでしたが、comony版はMacにも対応しています。今のところデスクトップのみへの対応ですが、将来的にはモバイルアプリの開発も視野に入れているとのこと。5Gの本格普及が始まれば、モバイルから仮想空間にアクセス…なんてことも簡単にできるようになるのかな?

4)同時複数人ログイン
「空間共有プラットフォーム」の本質的な機能として、複数人が同時に同一空間に入れます。プロモーションムービーでは不動産のバーチャル内見会の様子が示されていますが、城オタに置き換えて考えてみると、複数人での「バーチャル城攻め」なんかはアリなんじゃないかと思います。(特に、アクセスに難がある城や、現在は立ち入り禁止になっているような城跡をデータ化 → バーチャルツアー対応にしとくと、文化行政的な意義が大きい気がする)。

5)建物名表示・各種案内の充実
建物に近づくと、建物名称がポップアップ表示されるようになりました。また、遺構の解説や動画へのリンクなど、理解を深める各種案内板も設置してあります。このへんはユーザーさんのフィードバックを踏まえつつ、適宜拡充していきたいと考えています。

使い方はこれから広がる…のではなかろうか

そんなわけで「comony」版でも稼働し始めた「ビジュアル再現 村上城」。シャドウの出方や一部形状の不正など、移植に伴う細かなバグはあるものの「ウェブを通じてVR空間を共有できる」ことの可能性は十分感じられると思います。なにしろ新しい技術ですし、筆者自身も専門外なので、どういう利用法や可能性があるのかはまだまだ未知数です。「こんな使用法があるんじゃないか?」みたいなアイディアがあれば、ぜひお寄せください~。

(初稿:2020_12_02/2稿:2022_06_15 )