ビジュアル再現 村上城 ~3DCGでよみがえる村上城~ ロゴ
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市内門跡

市内門跡
村上城 市内門跡 写真

■DATA

残存物:土塁残欠
残存度:★★
藪化度:★

田口曲輪北端に位置した長屋門

臥牛山東麓には、かつて田口曲輪と呼ばれる外曲輪が広がっていた。城下全体の搦手口となるだけに、外部から直接出入りできるルートは田口門ただ1箇所に限定され、あとは新町曲輪を経由して、城山北側から回り込むルートがあるのみであった。市内門(いちないもん)は、後者のルートを扼すべく、田口曲輪の北端に建てられた門である。

「村上城城門絵図」「村上御城郭」等の記録から、門は右折れの枡形土塁の間に建てられた、比較的簡易な構造の長屋門であったようだ。城外に直接面していないために、それほど強固な構造が必要とされなかったのであろう。それは、本格的な石垣が構築されていなかったことからも伺われる。

門跡には現在、臥牛山から鳥嘴状に伸びる土塁の一部が残存している。周囲の堀などはすっかり埋め立てられており、地形痕跡もそれほど明瞭ではないが、あえて指摘するならば、鍵の手に屈曲する山裾道が痕跡に見えなくもない…。

なお、その名称については市苗門(いちなえもん)が訛ったものとする説もあるが、今ひとつ判然としない。

(初稿:2005.08.20/2稿:2005.08.22/最終更新:2017年07月23日)

明治元年の村上城・市内門跡

■明治元年の市内門

比較的簡易な門であったらしい。(「村上城城門絵図」平野邦広氏所蔵)