大手線修景案(1)
大手門跡の修景に現実味?
当サイトでは以前「村上町並み修景案」と題して、村上市内数箇所のバーチャル修景案を提案した。「町づくり論議のたたき台にでもなりゃいいや…」と、路面の石畳化や大がかりな建物の外観修復等、かなりやりたい放題の提案を行わせていただいたのだが、なんと、村上で町家の外観修復に取り組んでいる「むらかみ町屋再生プロジェクト」さんが、当サイトでも取り上げた「大手門跡」の修景計画を作成中だというのだ。
これはまさに天与の機会! 何としてもより具体的な修景案を示さねばなるまい…。というわけで今回は、実際に実現可能性のありそうな大手門跡の修景案を考えてみたい。 (2004.07.29:初稿)
現地の状況
右に示したのが、今回修景を試みる村上城大手門の跡地である。今でこそ殺風景な通りであるが、江戸期には大型の櫓門がそびえていた。(下)
もっとも、門があったことを示したいだけなら、門跡を示す標柱くらいがあれば十分だろう。だが、村上の町おこしを考えるならば、この地点はなんとしても修景を施さねばならない地点なのだ。
というのも、この通りこそ、村上の2大観光拠点である旧町人地と武家地をつなぐ結節点であるからだ。右の写真で言うと、通りの手前側が町家の残る旧町人地、通りの突き当たりより奥が、武家屋敷の風情を色濃く残した地区である。
しかし、この通りのあまりの無愛想さは、両地区をつなぐどころか分断する効果を発揮している。これは筆者が実際に目にした光景であるが、町家見学に遠方から来たと思しき観光客の方が、この通りを見た途端「この先は何もなさそうだね」と引き返してしまっていたのである。これでは、この奥にある武家地や城跡まで足を伸ばしてもらうことはおぼつかないであろう。
修景の方向性
というわけで、上記の前提から、この通りを修景するキモは「この先にも何かありそう」という期待感を、わかりやすく演出することにあると言えよう。
一応、以前の修景案では、右のようなバーチャル画像を提示していたのだが、よく考えると、路面舗装を石畳にするのは交通法規、予算の関係で難しいだろうし、突き当りの裁判所に古式ゆかしき門を建てるのも難しいだろう。よって、今回は、「市民のカンパ程度の予算と手間で十分可能」という条件を尊重した上で、どこまでの修景が可能になるのかを考えてみたい。早速次ページから修景シミュレーションを開始する。