御殿徹底研究(1)
御殿の研究はマイナージャンル?
突然で恐縮だが、皆さんは城めぐりのどこに面白さを感じているだろうか? 歴史の舞台に身を置く感動を味わう人もいれば、城郭建築の美しさを鑑賞する人もいるだろう。城オタに片足を突っ込んだような人ならば、複雑な塁線の屈曲に、縄張りの妙を見出しているかもしれない。
しかし、こうした多種多様な城の楽しみ方がある中で、「御殿が好きだ」という人はごく少数なのではないだろうか? 現存例が極めて限られる上、ちまたでは「薄暗く、だだっ広い畳敷きの部屋の何が面白いのか?」「どこの城でも似たようなもの」という感覚が流布している。事実、わが村上城においても、御殿に関する研究はあまり進んでいないのが現状である。(※)
というわけで今回は、従来ほとんど論じられることのなかった村上城の御殿を各種資料から分析し、知られざる村上城の一面に迫ってみたい。